人のセックスを笑うな 12,29
オレはユリの顔を思い浮かべた。オレには彼女がおばあちゃんになったときの顔は、わからないんだな。でも、最後に会ったときのユリの笑顔は、残っていくんだな。
その日の天使 12,23
一人の人間の一日には、必ず一人、「その日の天使」がついている。
恋づかれ 12,23
そいつはいつも、まったく何の予兆もなくいきなりやってくる。チャイムでも鳴らしてくれれば逃げる手もあるのだが、散歩に行こうとドアをあけると、いきなりそこにヌッと立っているのだ。アッと思った時はもう遅い。そのへん、恋というのは、家賃を取りにくる管理人とかNHKの集金人に似ている。
なしくずしの死 12,23
たくさんの人間がおれの部屋へやって来た。連中はいろんなことをしゃべった。大したことは言わなかった。みんな行っちまった。みんな年をとり、みじめでのろまになった、めいめいどっか世界の片隅で。
女って奴はいつも永遠を台無しにしちまうんだ…
ほんとうは彼は心のある人だったんだ。ぼくだって心があった。人生は心なんかじゃどうにもならない。
ゴールデンボーイ 12,12