オールド・テロリスト 12
「信頼は量では計れなくて、ラインというか、糸とか、線とか、ケーブルというか、そんな感じでしょう。愛情の量がゼロになっても、信頼という、お互いをつなぐ、ラインとかケーブルが一本でも残っていれば、コミュニケーションの可能性があるってことじゃないのかなあ」
「だからどんなに悲しいことを知ることになっても、コミュニケーションは取ったほうがいいんだと思った。だって、考えてしまうんですよ。こんなことは知らなければよかったというのは単に辛いだけだけど、相手が思っていることをきいてなかったら、いろいろ想像して一生考え続けないといけないじゃないですか。それって辛いだけじゃなくて、後悔っていうか、それこそ地獄みたいなものじゃないですか」
さようなら、ギャングたち 12
「心をこめて考えるんです」
田辺さんとため息 12
わめきちらし暴れまくっている人間よりも、いつでも抜刀できる姿勢を保ちつつニコニコしている人間のほうがはるかにこわい。
失恋について 12
ただ、東京に住んでいれば、何百万分の一かの確率ででも、道でばったり会う可能性というものがあるだろ。その思いだけがあれば一日一日をやり過ごしていける。あの人が息を吐くだろ。僕が息を吸うだろ。それはつまりひとつの空気をやりとりしていることなんだ。ホテルの窓から夜景を見たりすると、いつも思う。あの光の海の中の、どれかひとつが、あの人の住んでいる家の、窓の光なんだ、と。そう思っているだけで生きていける。
バーント・ノートン 12
過去の時間と未来の時間が
こうもあり得たと思うことと、こうなってきたこととが
常に現在する一つの終わりに向かう。
69 12
この、学校までの坂道が、永遠に続いていればいいと僕は思った。