美術の物語 12
絵はもともと手でふれる物であり、売り買いされたり、喧嘩のもとになったり、心配の種になったりする、人間くさいものだったのだ。
エジプト人はおもに「知っている」ことを描いた。ギリシャ人は「見えている」ものを描いた。だが、中世の画家は「感じている」ことも表現できるようになったのである。
というのも、見えるとおりに描きたいという欲求を捨て去ったとき、画家の前にはすばらしい可能性が開かれたからだ。ー12c
自然界を模倣する義務から解き放たれたことによって、彼らは超自然の世界を表現できるようになったのである。
ジェイコブの部屋 12
人々は一つの部屋に集まってくる。「お会いできて、とても嬉しい」と誰かが言う、そしてそれは嘘なのだ。
人々を要約してみようとしたところで何の役にも立つまい。必ずしも口に出して言われたり、行われたりすることをではなくて、暗示を追求していかなければならない。
猫はいつでも善良な人間の所へ行こうとするという。
それらの薄桃色と薄緑色の新聞は世界の頭脳と心臓の上に、毎夜押しつけられた薄いゼラチンの紙だ。それらは世界全体を写しとっている。